BISQUE(ビスク)とは磁器の種類の一つで、ビス・・・2度焼きしたものです。
19世紀の初め頃から素焼きした磁器に肌色を彩色し より人間の肌に近い風合いを表現したビスクドールが
登場したのです。1860年ごろからヨーロッパを中心に作られ特にフランス・ドイツには沢山の工房がありました。
各工房によって作り方も様々ですが、100年以上経った現在 当時の技法を再現して作っているのです。


@ まずは、古い人形のヘッドを元に石膏で型をおこしたモールドを使って粘土を流しこみます
 
  粘土は、液体になっていて調度いい濃度になるまで水で薄めます
  何度かこして異物やほこりなどを取り除きます
流し込んで数分たったら流し込んだ粘土を戻します(中が空洞になります)


  
   実は私はこの作業があまり好きではありません
   冬は寒くて手が凍りそうだし 粘土をこした後は手がガサガサ・・・・
   粘土は液体なのであちこちに飛び散るし 乾燥すると白い粉になって掃除も大変なのです
   陶芸も同様ですが粘土を排水に流せないので 土の混じった器を片付けるのも大変・・・余談でした


A モールドから外して粘土を抜きます(写真は後日掲載)

柔らかい状態のうちに目に切りこみを入れたり余分な部分を切り落とします
湿気のない所で数日乾燥させます


型から外す際に早く外そうと無理に型を開けるとひびが入ったりして失敗しています
型が乾燥し過ぎたりしているとせっかく抜けても凹んだり・・・・って事も
型を抜くのはいつも一日がかりの肉体労働です

B低温にて焼成します

素焼きの状態です

C水につけながら磨きます

この時に目を開けたり 耳のピアスを開けたりします
磨きが悪いと頬がむらになったりする事があるのでしっかり磨きます
この作業の段階で欠けたり割れてしまう事もあります


D高温〔1230℃)で9〜10時間焼成します

焼成後いわゆる陶器の状態になります

E全体にヤスリをかけてスベスベにし、ペイントをする

粘土の種類にも色々あって 焼成後 白くなるもの 肌色になるもの・・・・
白く焼ける粘土は肌色をかけます
スポンジで全体に色を付け刷毛でムラ無くならします
その後 低温750℃で焼成
(この作業を全部で2回繰り返します)・



F 眉・まつげ・口などのペイントをする



種類によっては2回〜数回と焼成を繰り返し色を重ねて顔に深みを出します
水性・油性などのペイントがありますが
いずれも焼成するまでに何度も書きなおしが出来ます

G焼成後 目を専用ワックスで頭の後ろから固定し
石膏でずれないように固めます



ヘッドをボディーにつなげます

H洋服や靴やカツラを作ります 


実はこの作業もとても時間がかかり
生徒さんの中にも裸のお人形が一杯たまっている人もいます
かく言う私もそうなんですが・・・・


そしてようやく完成です

出来あがったときの喜びはとても大きく
作りながら自分の作品に愛着が沸いてくるのです・・・・

池山さんの作品でした